とある法務部員の備忘録

IT企業で法務をやっている独身アラサー。法務系のネタ、英語、雑記、ブログ運営などについて自由気ままに書き綴っています。

私が凄いと思う法曹・法学界の偉人を3人紹介します。

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法曹・法学界_偉人

 本日は、私が凄いと思う法曹・法学界の偉人を3人ご紹介したいと思います。もし、法律関係以外の方で、ご存知だとしたら、相当マニアックです!笑

 

…なお、法律関係の方で、「なんで〇〇先生の名前を挙げないんだ!」といったご批判は勘弁してくださいね(;^ω^)

 

 

1人目:ジョン・マーシャル(John Marshall)

 いきなり、「誰やねんw」って感じでしょうか。「ジョン万次郎」じゃないですよ?「ジョン・マーシャル」です。

 アメリカ合衆国の第4代連邦最高裁判所長官を務めた方。合衆国連邦最高裁判所長官のことを「Chief Justice of the United States」と言うのですが、「Chief Justice」ってカッコいいですね。

 ちなみに、ジョン・マーシャルの最高裁長官の在任日数12574日(約35年)は、歴代最長です。過去17人いる最高裁長官の中で、最も長い期間「アメリカの正義」であり続けたという人。

 

 そんなジョン・マーシャルの功績の中でも特筆すべきは、「マーベリー対マディソン事件 (Marbury v. Madison, 5 U.S. 137(1803)) 」において確立した違憲審査制です。

 「違憲審査制」とは、簡単に言いますと、裁判所が、立法府で成立した法令の内容等について、憲法に反していないかどうかを審査し、憲法違反(違憲)の場合は無効に出来たりする制度のことです。現代立憲主義の下において、違憲審査制はもはや当たり前ですが、当時は画期的でした(世界初)。

 

 ヨーロッパでは、違憲審査制の導入に消極的な意見が多く、ナチスによるホロコーストなどの深刻な人権侵害が、議会中心主義の政治によって引き起こされたことを猛烈に反省し、第2次世界大戦後にやっと広まっていきました。日本でも違憲審査制が初めて明文化されたのは、戦後に制定された現行憲法からです。

 他の諸外国が20世紀になってようやく制度化したものを、ジョン・マーシャルは、19世紀の初めに、解釈によって導いたのです。違憲審査制なんて、憲法のどこにも書いていないのに、「そういう権能が裁判所にはあるよね」と、ロジックを組み立てました。

 

 ロースクール時代に、とある教授から「この論理展開は素晴らしい。ロースクール生は全員読むべき」と勧められましたが、もしご興味のある方は読んでみてください(日本語に翻訳したサイトなどがないか探しましたが見当たりませんでした)。

supreme.justia.com

 

2人目:大胡田 誠

 日本で3人目となる全盲の弁護士。

 大胡田さんは、産まれて約半年後に先天性の緑内障であることがわかり、12歳の時に両目の視力が全て失われ全盲となられました。その後、慶応大学法学部、慶応LSへと進み、5度目の挑戦にして司法試験に合格されたという苦労人です。法務省とも掛け合い、読み上げソフトを使用しての受験を可能とするなど、障がい者のための受験制度改革にもご尽力されました。

 

 「苦労」なんて軽々しく表現すべきではないのかもしれません。私も司法試験を受験したことがあるので分かりますが、何日間にも及ぶあの試験を、読み上げソフトを使って受験するなんて考えられません。

 司法試験の論文試験の問題文は、何ページにもわたる長文であり、紙に書かれてある文字を読んでも内容を理解するのが難しいです。重要箇所にマーカーを引いたり、問題文を何度も行ったり来たりして、やっと内容を把握できます。てか、行政法なんて、法令が丸々一個引用されているんですよ?それを音で聞いて内容を理解する?

 

シンジラレナイ…(・ω・)

 

  いや、それより以前に、普段の勉強だって想像を絶する過酷さだったと思います。他の受験生が、色んな書籍に目を通して悠々と勉強している中で、そもそも音源がない教材については、内容を知ることすらできません。ハンデどころじゃないですよ。

 そのような困難を乗り越え、最後まで諦めずに司法試験合格を勝ち取った大胡田さんは、間違いなく司法試験受験生の模範ですね。

 

3人目:藤木 英雄

 最後3人目は、藤木英雄先生。日本の刑法学者です。

 藤木先生は、東京大学法学部を首席で卒業し、東大在学中に、司法試験と国家公務員試験に首席で合格した(俗にいう『トリプルクラウン』)という、とんでもない天才です。その後、最高裁判事も務めた団藤重光の門下となり、34歳の若さで東大法学部の教授となりました。

 

 藤木先生の刑法学者としての功績として名高いのは「新・新過失論(危惧感説)」を提唱されたことだと思います。刑法を学んだことがある方でしたら、過失犯の箇所で一度は聞いたことがある学説ですね。ちなみに、優れた学説であったものの、通説の地位を築くには至らず、判例においても採用されたことはありません。

(JR福知山線脱線事故における 神戸地判平成24年1月11日 は危惧感説を暗に否定していますね…)

 

 そんな藤木先生について、最後にひとつ凄い逸話をご紹介します。

blogs.yahoo.co.jp

 

 こちらの記事にもありますが、司法試験の口述試験において、試験自体は5分ぐらいで終わってしまい、その後、試験官である学者・裁判官と、藤木学生との間で議論が始まったのですが、なんと藤木学生が、試験官を蹴散らしてしまった…という有名な逸話です。

 実は、私もロースクール時代に、刑法だったか、他の科目だったか忘れてしまいましたが、この話を教官から聞いたことがあります(どうやら本当のようです)。いやぁ、本当だとしたら、とんでもない学生がいたもんですね(笑)

 

最後に

 いかがでしたでしょうか?一応、裁判官、弁護士、法学者と、それぞれ異なる職業から選出させて頂きました。

 本日ご紹介させて頂いた以外にも、凄い弁護士、裁判官、法学者というのは沢山いるので、もし機会があれば、また紹介してみたいと思います!