とある法務部員の備忘録

IT企業で法務をやっている独身アラサー。法務系のネタ、英語、雑記、ブログ運営などについて自由気ままに書き綴っています。

今更だけどモンドセレクション受賞商品多くない?

スポンサーリンク

モンドセレクション

 巷でよく見かける「モンドセレクション受賞」といった表示。「いやいや、どの商品もモンドセレクション押しすぎやろ」ってぐらい溢れてますね。

 

 自社商品のブランディングに利用されることが多いモンドセレクションについて、「なんでそんなにモンドセレクション受賞商品が多いの?」「金賞って簡単に取れるの?」といった素朴な疑問について、本記事では取り上げてみたいと思います。

 

 

モンドセレクションとは

 既にご存知の方にとっては目新しい情報でもなんでもないんですが、モンドセレクションとは、食品、飲料、化粧品、ダイエット、健康を中心とした製品の技術的水準を審査するベルギーの民間団体です(1961年設立)。

 独自の審査基準(非公開)の下、多種多様なジャンルの製品を審査し、一定の基準を満たすと、その点数に応じて、金賞とか銀賞といった賞が授与(認証)されます。

 

ミシュランのように匿名調査がなされているわけではない。

 ホテル・レストランの格付けガイドブックで有名なミシュランは、ミシュラン社員が身分を隠し、匿名調査をすることで有名ですが(身分を明かして聞き取り調査も行われる)、モンドセレクションはそのような調査・審査方式ではなく、モンドセレクションに出品された製品のみを審査対象としています。

 なお、食品部門の参加費は1,150ユーロ(ただし、3製品以上ならば3製品目からは1,050ユーロ)です。2017年10月10日時点での円ユーロレートは、1ユーロ=132円ですので、1回当たりの参加費は、約15万円となります。

 

コンクールスタイルではない。

 モンドセレクションでは、ワイン部門を除き、コンクールスタイルではありません。つまり、各ジャンルごとに、商品を相対的に評価して、最高金賞、金賞、銀賞、銅賞…と決まるわけではなく、絶対評価を行っています

 

 モンドセレクションのホームページを参照しますと、

  • 平均得点60~69点:銅賞
  • 平均得点70~79点:銀賞
  • 平均得点80~89点:金賞
  • 平均得点90~100点:最高金賞

 

 とされていますね(受賞者は3年間、製品に優秀品質ラベルを表示することができます)。

 要するに、オリンピックのように、金メダルは1人だけというわけではなく、一定の基準を満たせば、誰でも賞をもらえるため、理論上は、最高金賞が大量発生してもおかしくありません。

 

統計データ

 モンドセレクションのホームページでは、受賞した国・企業・製品数等の統計データが公開されています。審査対象製品の5割が日本からの出品という話もありますが、ちょっと見てみましょう(なお、下記統計データは2017年10月10日時点のものです)。

 

 2017年度は、計2965点の製品に対する評価が行われ、そのうち受賞製品は2691点にのぼります。つまり、応募すれば、90.7%の確率で、最低でも銅賞は取れるというデータになっています。

 続いて、受賞した大陸別の統計を見てみますと、2691点の受賞製品のうち、2109点がアジアからの出品となっています。これは実に受賞製品全体の78.3%を占めるという統計です。ただし、国数は18となっており、日本以外の企業も含まれているため、日本企業の正確な受賞数は分かりません。

 アジアに続いて受賞が多いのはヨーロッパの293点(10.8%)、そのあとアフリカの90点(3.3%)と続きます。圧倒的にアジアからの出品で占められていることが分かりますね。

 

【受賞製品数(大陸別)】

  1. アジア:2109(78.3%)
  2. ヨーロッパ:293(10.8%)
  3. アフリカ:90(3.3%)
  4. 北米:83(3.0%)
  5. 南米:72(2.6%)
  6. オセアニア:27(1.0%)
  7. 中米:17(0.6%)

 

 次に、受賞製品の品質レベルの内訳は以下のとおり。

  • 最高金賞:420(15.6%)
  • 金賞:1368(50.8%)
  • 銀賞:737(27.3%)
  • 銅賞:166(6.1%)

 

 受賞製品の約半分が2等賞である「金賞」です。他方、1等賞である「最高金賞」は受賞製品全体の15%程度であり、これは宅建の合格率とだいたい同じぐらいです。 このことから、最高金賞を受賞するのは決して簡単ではないということが分かります。

 

私見(まとめ)

 モンドセレクションについて、「安直なブランド戦略である」と批判する人もいますが、私は、モンドセレクションを完全否定はしません。実際、「モンドセレクション受賞」といったラベル表示を見て、「安心できる商品」と思う消費者もいるわけですし、売上が伸びたという報告もある。中・短期的なリターンだけを考えれば、15万円という投資額は安すぎるでしょう。マーケティング戦略としては全然アリだと思います。

 

 ただし、

 

どうせ応募するなら、最高金賞を獲ろうぜ。

 

 と思います。「モンドセレクション銅賞受賞」のラベル表示を見ると、「なんで4等賞をアピールしてるんだ?」と思うんですよ。約9割の確率で受賞するんだから、そもそも銅賞なんて獲って当たり前。銀賞でもダメ。評価平均点が分かりませんが、金賞が全体の50.8%を占めることを考えれば、銀賞でも受賞製品全体の平均を下回ると思います。

 金賞を獲ってやっと普通。でも、インパクトとしては弱い。「この商品は平均的な品質です」と言っているようなものです(少なくとも、私はそう感じます)。となれば、受賞製品全体の約15%しか取れない「最高金賞」を目指すべきでしょう。ここを取るまで、企業はラベル表示すべきではないと思います。もし、ラベル表示をするなら、「モンドセレクション最高金賞を受賞するまで、製品の品質改良に取り組んでいきます」と注記するとか。

 

 別に理屈じゃないです。「2位じゃダメなんですか?」って聞かれたら、それでも良いとは思うけど、単純に悔しくないですか?私は、食品メーカー等に勤務したことはなく、製品開発に携わったこともないですし、開発現場に従事されている方の苦労も知りません。

 そんな立場で偉そうにあれこれ言うのも申し訳ないのですが、精魂込めて作った製品が、「銅賞」とか「銀賞」とか格付けされるわけですよ。そこに対する悔しさって絶対あると思うんです。

 

 まあ何れにせよ、個人的に一番最悪だと思っているのは、

 

「モンドセレクションって、15万円払えば受賞できるらしいで」

   ↓

「へぇ、じゃあ応募してみるで!」

   ↓

  銅賞受賞

   ↓

「ホンマや!ワイの製品でも受賞できたで!よし、『モンドセレクション銅賞受賞』ペタっと。」

 

 間違いなくこれですね。。