とある法務部員の備忘録

某IT企業に勤めるアラサー法務。法律、時事問題、英語、雑記、ブログ運営などについて自由気ままに書き綴っています。

在学中の司法試験の受験を認める?これからのロースクール制度について。

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いやぁ、司法試験制度・法科大学院制度をめぐって、国の対応は迷走しまくってますね。法科大学院在学中に司法試験の受験を認める制度変更を検討しているそうですよ。

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確かに、この制度変更に批判が集まるのは分かります。「何のためのロースクールだよ」「既習1年目から受験できるんだったら、ロースクールなんてほぼ無意味だろ」って言いたくなりますよ。まるで、旧司法試験と新司法試験が並行して実施されていた時みたいですね(ロースクール生でも旧司法試験は受験できた)。

 

…ただね。これに反対する有識者団体も、反論のポイントがズレてるんですよ。

例えば、神大の宮澤先生。この方は、当初からロースクール制度の導入をやたらと強く主張した人ですが、在学中の受験について、次のようにおっしゃっています。

既習者コースの1年目から、予備試験や司法試験準備に追われ、多くの人が落ちて、翌年の予備試験や司法試験準備に追われることになる。ロースクール教育の内容がスカスカになる。

 

はい?現状のロースクール制度の下でも、ロースクール生は、既習1年目から司法試験の準備に追われているよ!そして、多くの人が落ちてるよ!

ロースクール教育の内容がスカスカになる?予備試験・司法試験の準備に追われることで、ロースクールのカリキュラムに集中できないという文脈で言ってるんだったら、最初からロースクール教育なんてスカスカだよ!

(ちなみに、宮澤先生がかつて教鞭をとった青学のロースクールは募集停止しています)

 

あと、予備試験についても、合格者の大半がロースクール出身者で占められていることに異を唱え、「経済的にロースクールに行けなかった人」や「実務経験のある人」のために設けられた制度だったはずと主張。

「(法科大学院のない)居住地のみ受験を認める」「法科大学院卒業程度の年齢までの受験制限」「法科大学院生の受験禁止」といったアイデアを提示し、あくまでも、法科大学院ルートとは異なる受験ルートであることを強調しました。

 

私が感じている違和感はただ一つ。

これだけ司法試験制度や予備試験制度を批判しつつも、ロースクールの存在意義には一切言及しないという点。

 

おかしくないですか?定員割れを起こすロースクールが続出し、廃校や募集停止に追い込まれるロースクールまで出てきて、本来の受験ルートではない予備試験の方が一般化してるって。

それも全て司法試験を媒介とした法曹養成の在り方がおかしいって言いたいのかもしれないですが、ほとんどの人が思ってますよ。「ロースクールって、大学の講義の延長だよね」って。

 

以前、これからの時代において何のバリューもない法教育を提供しておいて、国の法曹需要の見通しが甘かったとか、予備試験ルートが一般化するなんて聞いてなかったとか、ロースクール側も被害者面するなよってことを書いたんですが、上述の諸先生方も、いい加減に、ロースクールは予備校と大差無いって認めようよ。