引きこもりに関する一連の報道・論調と「日本の切り札」論について

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すみません、以下に記すことは、個人の主観と憶測が多分に含まれています。

 

引きこもりの息子(44歳)を殺害した元事務次官の男性(76歳)について、警察に連行される姿を見ていると、私の勝手な印象で申し訳ありませんが、「やっと終わった」という安堵の表情を浮かべているように見えます。

 

行政のトップを務めた方ですから、おそらく、従前から、中高年の引きこもりに関する問題を熟知されていたはずです。

今さら就職するのはほぼ無理であり、このまま自分たちの財産で食い潰させるしかないことも知っていたし、就労していない息子が将来年金を受給することにでもなれば*1、納税の義務を果たしている国民から大きな反感を買うことも知っていたはずです。

 

また、「社会に迷惑をかけるぐらいなら、1人で勝手に死んでくれ」という世論が存在することも十分に理解していたはずです。

川崎殺傷事件の報道を見て、より一層そのことを強く認識したんじゃないかと想像します。「願わくば、私の息子も、人様に迷惑をかけることなく、1人で死んでくれ」と。

 

そして事件当日を迎えてしまった。

「小学校に乗り込む」とキレる息子を見て、川崎殺傷事件の犯人の姿が重なる。もし、凶行に及べば、只事では済まない。何の罪もない犠牲者が生まれ、元事務次官の息子による犯行ということでメディアが騒ぎ立てる。自身の面子は潰れ、家族を含めて一生非難され続けることになる。

犠牲者が出てしまう前に、自分がやるしかない。自分が息子を "終わらせるしかない" 。私はどうしてもそういうストーリーを想像してしまいます。

 

おそらく、この事件は氷山の一角です。

全国に60万人以上いると言われている40歳以上の引きこもりの家庭には、親子関係が破綻している家庭がたくさんあるのでしょう。

元事務次官が息子を刺し殺したというニュースを聞いて、これを他人事だと思える親子は少なくないはずです。

 

ニート・引きこもりは日本の切り札である。

そのような引きこもりの問題に対して、ここから先は自論を。

 

私は、割と本気で、「ニート・引きこもりはグローバル社会を切り開くための日本の切り札になる」と思っています。

 

「は?頭おかしいんじゃねえの」と言われるかもしれないですね。

しかし、ニートや引きこもりが「価値のない人間」「生きている資格のない人間」と陰で揶揄されていることに対して、無理矢理にアンチテーゼを唱えているわけではないんです。本当に「切り札」だと思っているから、そう言っています。

 

ちなみに、現在勤めている会社で英語の社内公用語化を推進している帰国子女の妻に、この話をすると、笑うどころか、真顔で賛同してくれます。「いや、本当にその通りかもしれない」と。

 

このことを説明するために、少し話題を逸らします。

 

皆さんは、日本人の英語力が、伸びているどころか、"落ちている" という事実をご存知でしょうか?

EF EPI(英語能力指数)の国別ランキングにおいて、日本は、88か国中49位であり、これは過去最低の順位です。スコアも「低い」に分類されています(ランキングが開始された当初は「標準」だった)。

ceburyugaku.jp

 

日本における語学学習の市場規模は年々拡大しており、英語学習に対する気運が高まっているにもかかわらず…です。日本人は、英語を勉強する意欲もあるし、英語学習にお金もかけているのに、ほとんど伸びていないのです。

 

この原因について、私と妻の意見は一致しています。

日本人が英語を習得できない理由、それは、圧倒的に英語を勉強する「時間」が足りていないからです。

 

一般的に、英語を習得するために必要となる学習時間の目安は『3000時間』と言われていますが、日本人は、中学・高校の6年間で1000時間ぐらいしか勉強していないので、単純に2000時間足りません。

 

では仮に、1日1時間勉強したとしましょう。これを毎日欠かすことなく1年間続ければ1年で365時間。これを5年半継続すれば2000時間に到達します。

なお、1回当たりのレッスン時間が30分のオンライン英会話しかやらないのであれば、2000時間に到達するまでに11年かかる計算になります。

 

頑張って1日3時間勉強したとしても、2000時間を達成するには、2年弱かかります。

つまり、効果を実感するまでの期間が長期化しやすいために、途中で挫折してしまう人が非常に多いのです。

最初はモチベーションが高かったとしても、途中で「これ、意味あるのか?」と疑問を感じて、英語の勉強をやめてしまった人も多いのではないでしょうか。

 

しかも、3000時間というのは最低限のレベルの話。

アメリカ居住歴8年の妻曰く、「実務において、レベルの高い英語を使えるようになりたいのであれば、最低でも1万時間ぐらい必要」と言います(もちろん、個人差はあると思いますが)。

 

働きながら勉強している社会人にとって、1万時間というのは途方もない数字です。

1日1時間しか勉強できないのであれば、1万時間を達成するまでに、27年かかります。1日3時間勉強したとしても、9年かかります。はっきり言いますが、これは並の社会人には無理です。

帰国子女や長期にわたって海外留学をした人にどうやっても英語力で勝てないのは、英語の学習時間に絶対的な差があるからです。「環境」の差だけではありません。これは「時間」の差なのです。

 

しかし、1日24時間をオールフリーで使うことのできるニート・引きこもりは事情が変わります。

 

極端なことを言えば、睡眠・食事・入浴以外の時間はすべて勉強に費やすことができ、そうすれば、どんなに低く見積もっても、1日10時間以上の勉強時間を確保することができます。

もし、1日10時間の勉強を1年間継続すれば、1年で3650時間。英語を習得するために必要とされている3000時間を1年未満でクリアできます。

それどころか、3年継続すれば、トータルの勉強時間が1万時間を超えます。1日1時間しか勉強できない社会人が27年かかるところを、ニート・引きこもりの人は、たった3年で到達することができるのです。

 

本当にそれだけ勉強できるのか…という問題はありますが、ニート・引きこもりの人たちが、「時間」という最強のアドバンテージを持っていることに違いありません。彼らはそれに気づいていないだけで。

妻も、そう考えると、英語を習得できる位置に一番近いのは、ニート・引きこもりの人たちだと同意しています。

 

「就職」がゴールじゃなくても良い。

ただし、英語が話せるだけだったら、帰国子女や海外留学経験者を雇った方が確実と考える企業も多いと思います。「経験」を重視する日本企業では尚更です。

(帰国子女や海外留学経験者とタメを張れるぐらいのぶっちぎりの英語力を持っていれば、もはや関係ないと思いますけどね。英語系YoutuberのAtsuさんも、日本に居ながらにして、高度な英語力を習得し、オーストラリアの会計事務所に就職しています)

 

しかし、それは、あくまでも企業に就職することを念頭に置くから、そういう結論になってしまうのであって、私は、目指すべきゴールは「就職」ではなく、「起業」とかでも良いと思っています。

ホリエモンこと堀江氏も、「ニートこそ起業しろ!」と自論を唱えられています。

horiemon.com

 

私も、この意見には大賛成です。

英語が出来れば、日本なんか比にならないぐらい規模がデカい海外マーケットも視野に入れて、ビジネスを展開できます。日本人がなかなか切り込んでいけないマーケットにもチャレンジできるわけです。まさにグローバル社会を切り開くための「日本の切り札」でしょう?

 

しかし、「働いたこともないのに、起業なんて無理」「まずはアルバイトから」などと、頭でっかちなお役所の人間たちは考えていて、ニート・引きこもりの人たちを既存の就労支援の枠組みの中でしかサポートしようとしません。

もちろん、精神的な障害などを抱えている人に対して、自立支援を行うことは必要なんですけど、精神的・社会的に自立させて、人手が足りていないブラック業界にぶち込む…というような底辺の扱いをして、「無価値」というレッテルを貼ってるのは、紛れもなく国や自治体じゃないかと思います(しかも、そういう就労支援は大抵「39歳まで」です)。

 

あのさ。日本社会からはみ出してしまった人達を、なぜ無理やりもう一度日本社会の歯車に戻そうとするのさ?それが合わないから、引きこもってしまったわけでしょう?

レールから外れてしまったのであれば、とことん外れれば良い。とことん突き抜けた人材になってもらえれば良い。そういう発想はないのかな。ニートの語学留学支援とか、ニートの創業支援とかドンドンやれば良いじゃん。そう強く思います。

(もう既にやっているという自治体さんがいらっしゃったらすみません。私の知識不足です)

 

おわりに

上述のとおり、個人的には、ニート・引きこもりの人には「時間」というアドバンテージが存在するのに、他の社会人と同じゴールを目指そうとさせるから無理が生じているように思えます。

そうすると、どうしても「価値が無い」ということになってしまう。同じことができないからです。しかし、そうじゃない。彼らにしか発揮できない価値は絶対にある。視点を変えれば、ニート・引きこもりの人たちだって、「日本の貴重な人的資源」になりえます。私からすれば、ニート・引きこもりの人たちは、ある意味「無敵の人」なのです。

 

*1:親が子どもの年金保険料を支払っていることが前提。